そんな話は聞いていない。
ドアが開いたと感じたのは勘違いでは無かったのか。
私はダンとアビに頼んで、もっと詳しくあの日の経緯を聞いた。
テイアが連絡をしていた日本人は本当にテイアのお姉さんのアビの大事なカスタマーだった。
その日本人はアビと連絡がつかないのでテイアに探すように頼んだらしい。
新しく勤め始めたばかりの仕事に遅刻してまでアビを探していた。
(遅刻も休みも同じ罰金なので、どうせなら休んでしまおうと私の所に来たのだろう。)
アビが捕まらないので場つなぎが必要だった。
その日本人とお酒を飲んでいる最中にWSで遊んでいたアビとやっと連絡がついたので交代したらしい。
交代をする前にテイアはアビと一緒に遊んでいたダンに、私が部屋にいるかの確認を頼んだ(私がいないとフロントで部屋に入る許可が出ない。寝ていてもダメ)。
もし、私が部屋にいれば戻ってこようと考えていたらしいが、酔っぱらって寝ていたので部屋には来なかったとの事だ。
テイアはウソをついていなかった。
急いで携帯電話を取り出して電話をかける。
テイアに謝らなければいけない。
てっきりウソだと思っていた。
寝ないで待っていたとウソをついたのは私だった。
テイアは知っているのに笑ってくれた。やっぱり嘘つきだ。
許してあげていたと勘違いしていた。
許されていたのは私の方だったのに。
携帯電話からは機械的な音声で、
SORRY YOUR なんちゃらかんちゃら
と、アナウンスが流れてくる。
設定が悪いのか、チャージが無いのか分からない。何度かけてもSORRYと言うテープの返事しか聞くことが出来ない。
ダンが私に言った。
ダン 『テイアはあなたの事が好きだよ。』
英語のLOVEの表現がどの程度のものだかは経験の無い私には理解することができない。
アビが私に聞いてきた
アビ 『テイアじゃなくて、他の女の子と遊べばいいじゃん。』
私は笑顔で、
私 『何人も遊んでいるよ。でも、テイアが1番面白いんだ。』
と、答えた。
私の返事にアビは困ったような表情で考えている。
アビ 『でも、テイアはやめた方がいいよ。』
実の姉がなぜそんなことを言うのかと不思議に思った。
私 『Why?』
アビは少し考えて、諦めたような口調でこう言った。
アビ 『Because she is crazy』
ダン達と別れて携帯電話のプリペイドカードを購入し、ホテルに戻る。
そういえばテイアのバーのウエイトレスも言っていた。彼女はクレイジーだと。
何故、電話が出来ないかをネットで検索するが分からない。
アキラさんに聞こうと考えたが、こちらも連絡がつかない。
電話を諦めてテキストを送っておいた。
『早く戻っておいで(^^♪。SMクラークに買い物に行こう(^^♪。』
何を欲しがるのだろうか?
最終日なので食事も豪華にしよう。
脳天気にプールサイドで煙草を吸いながらネットで豪華な食事を検索していた。
しかし、その夜テイアは帰って来なかった。
続く
追記
※フィリピン人の家族愛は日本人が想像する以上に強いです。稼いだお金の殆どを家族に送金してしまいます。送金された家族がつつましく生活できていれば良いと思うのですが、無駄遣いをしているのを聞くといたたまれない気持ちになります。
※マルガリータでは奥のテラスで煙草が吸えます。
※携帯電話のチャージはプリペイドカードを買って、自分でチャージすることも出来ますが、お店でチャージしてもらう方が楽です。方法は自分の電話番号を店員に教えてプリーズチャージと言って100ペソ渡すだけです。お店の携帯電話から100ペソ分を自分の携帯電話に送ってもらえます。
※携帯電話のプランはたくさんあって迷いますが私はいつもGOSAKTO70を利用しています。70ペソで1週間使えます。テキストやラインだけなら十分です。
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