『もう、愛していない。』『もう、アンヘレスにいない。』
私はどちらの言葉にショックを受けたのかは分からない。
頭では考えられないが、心臓が握られているような感覚に襲われていた。

『もう、愛されていない。』のは仕方がない。私は自由過ぎた。
むしろ『愛されていた。』方が不思議だ。
禿げ始めた中年のオヤジが、こんな美人と一緒に遊んでいられただけで私の心は踊っていた。
彼女の心にまで入り込めていたならば、それはもう、本望だ。
何時でも会えるのであれば『愛されていなく』ても構わない。
『どうして、アンヘレスを去るの❓』
と聞きたかったが言葉が出てこない。
恐らく、英語が分からないからでは無いだろう。
プールで撮影した写真を送る為に、彼女のラインのアドレスは知っている。
彼女がマニラに行ったとしても、連絡を取り合う事は出来るだろう。
しかし、私はそれをしないだろう。
私は彼女を『愛してはいない。』。。。。。。と思う。
少しの無言の時間が過ぎた時、裸のままの彼女は私にやさしく抱き着いて来た。
私は彼女を抱きしめて、そして眠った。
空調が効き過ぎていたのかもしれない。彼女は何時もよりも温かかった。
翌日の朝。
彼女は昨夜の会話を忘れているかのように、普通に振舞っている。
朝食をとったり、アキラさんの部屋に奇襲をかけたり、プールで遊んだりをした。
12時になったので荷物を片付けてチェックアウトをする。
ニノイアキノ空港へ行くためにSMクラークの前のバスターミナルまで向かう。
バスが来るまで少し時間があったのでSMクラークでポテトを食べた。
SMクラークでも彼女はいつも通りに私を楽しませてくれた。
空港行きのバスはフィリピンでは珍しく時間通りに到着した。
私 『ありがとう。楽しかったよ。』
テイア 『もう、アンヘレスにはいないから、連絡はするな。』
私 『私も、もう、フィリピンに来ないかもしれない。』
テイア 『 why 』
私 『 ……….nothing 』
私はテイアのいないアンヘレスの楽しみ方が分からない。
やっぱり、テイアが一番楽しい。
バスに乗り込む直前に、
また、会えるかな❓
と聞いてみた。
テイアは今までで一番かわいい、そして悪戯っぽい笑顔を私に向けてこう言った。
テイア 『 you fell in love 』
私 (全部バレてる (^^♪)
そう言い残すと、彼女はバスの出発を待つ事もせずに去って行ったのだった。
一度も振り返る事さえもせずに。
体験記2 終わり
追記
翌日の朝、成田空港。
深夜便の飛行機から降りた私は携帯電話のSIMカードを入れ替えて電源を入れた。
メッセージ無しの1枚の写真が届いていた。
『ふっ(^^♪』
私はこの写真を宝物にしようと思ったのだった。

やっぱり、全部、バレていた (^^♪ 。
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