1日後中半 I DON’T LIKE

体験記2
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

 

時計のデジタル表示は18:30.

 

18時少し前に、テイアの店に行こうとしていたのに、完全に寝坊をしてしまっていた。

 

考えている時間は無い。

私は、急いで寝ぐせだけを直し、駆け足でホテルを出た。

 

テイアは18時からお店の前に立つ。

早い時には10分足らずで客を捕まえ出て行ってしまう事もある。

 

テイアが他の客を捕まえるまでに間に合わなければ、私はもう1日恐怖を味合わなければいけない。

 

私はトライクを拾い、乗り込んだ。

 

携帯電話の画面で時計を見ながら、もう一度『ウソ』の復習をする。

1、昨日はテイアと別れた後、マニラの空港まで行った。

2、空港でチケットと携帯電話を盗まれたので飛行機に乗れなかった。

3、アキラさんにお金を借りるためにアンヘレスまで帰って来た。

4、携帯電話が盗まれてしまっていたので、テイアからの電話に出る事が出来なかった。

 

『ウソ』に矛盾は無い。完璧な『作戦』だ。

 

携帯電話の画面を見ると18:40。

私は『テイアがまだ他の客に取られていない』事を祈った。

 

その時に、私は、初めて、ある異変に気付いた。

 

。。。。。。。。。。。

 

  (‘ω’)

 

 

なんで、時間が分かるんだ ❓ (‘ω’)

 

 

 

何を見て、時計を確認してるんだ ❓ (‘ω’)

 

 

 

 

プギャー ( ゚Д゚) 

 

私は盗まれたはずの携帯電話を、今、持っている事に気が付いたのだった。

 

 

 

テイアに、私が携帯電話を持っていることに気付かれたら、全ての『ウソ』が瓦解する。

 

隠そうとしても、半ズボンのポケットには隠し切れない。ポーチは既にアキラさんに預けてしまっているので持っていない。

靴の中には入るはずも無い。

 

かといって、ホテルに引き返す時間は無い。

 

私は大声で『ザ ワールド』と吠えた。 

 

  

 

 

 

しかし、時間は止まらない。

 

 

そもそも、私には『スタンド』は付いていない。

 

 

 

トライクは無慈悲にもテイアの店の前に到着してしまう。

 

 

携帯電話がバレてしまうかもしれない。

 

その前に、テイアが既にいないかもしれない。

 

もし、いたら、怒るかもしれない。

 

ひょっとしたら、喜んでくれるかもしれない。

 

不安と期待を抱きながら、テイアの店の前を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

店の入口には、背もたれの無い椅子に肩を落としてだらしなく、座っているテイアがいたのだった。

 

 

続く 

 

 

 

 

追記

 

良かった( ;∀;)

まだいた。

 

私はテイアに駆け足で近づいて行った。

 

私を見つけたテイアは、物凄い形相で私を睨んできた。

 

私は取り敢えず『ウソ』をつく。

空港で飛行機のチケットを盗まれて、飛行機に乗れなかったんだよ。

 

ドアマンや周りのスタッフ達も、『帰って来て、良かったじゃないか?』『また、迎えに来たぞ!』みたいな事を言って、喜んでいる。

 

『ウソ』が通じたか通じていないか分からないが、

取り敢えず、店に入って1杯飲もう。

説明するから 。

と、テイアを店の中へ誘おうとするが、テイア

I DON’T LIKE
I DON’T LIKE
I DON’T LIKE
I DON’T LIKE
I DON’T LIKE
I DON’T LIKE

と、店の入口で繰り返し叫んでいるのだった。

 

 

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました