1日エピローグ前半

体験記2
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私とママは結託をしてテイアのバーファインを成立させてしまった。

 

テイアは『私は行かない』と文句を言っているが、ママは『もう、お金を貰ってしまっているし。』と言って、着替えをさせる為に無理矢理にロッカールームへ押して行く。

 

 

テイアの着替えを待っている間、私はサイと会話を続けた。

サイは何かを言いたげだったが、私はサイの言葉を遮った。

サイの言葉を聞いてしまうと私の心が揺れてしまうかもしれないと思った。

 

サイもそれを察したのか、核心に迫るような事は言って来なかった。

 

 

 

着替え終わったテイアと私は店を出て行く。

テイアは不機嫌だったが、ママもドアマンもウエイトレス達も楽しそうに笑っていた。

 

店を出てから、テイアは私の前をスタスタと歩いて行く。

私は

『ご飯は?』

と尋ねるが、テイア

『ホテルで済ませたら、1時間で帰る。』

と、真っ直ぐにホテルへ向かって行く。

 

私も、寄り道をすると、携帯電話を持っている事がバレる恐れがあるので、テイアの言葉通りに真っ直ぐにホテルへ向かう。

道中、言い訳を試みるが、携帯電話が見つかってしまうと辻褄が合わなくなってしまうので詳しく話す事が出来ない。

つくづく、寝坊をした事と携帯電話を持ってきてしまった事を後悔した。

 

気まずい雰囲気がホテルまでの距離を長く感じさせる。

 

部屋に着くと、テイアはベッドの上で携帯電話をいじり出す。

 

私は携帯電話を金庫に隠し、ようやく『ウソ』の言い訳を始める。

空港のベンチにポーチを置いておいたら、目を離した隙に無くなっていたんだ。

携帯電話も、無くなってしまったんだ。

テイアは聞いているのか聞いていないのか、自分の携帯電話から目を離さないで、此方を見向きもしない。

 

無言のままの時間が暫く続く。

 

 

テイアが言っていた1時間が過ぎた頃、

やらないのか ❓

と聞いてきたが、私はそんな『つまらない事』はしたくない。

 

  

言い訳(『ウソ』の)も出来たし、此方から呼び戻しもした。

もう、【見つかるかもしれない】という恐怖とも戦う必要は無い。

 

貴方がやりたくないならやらないし、

帰りたいなら帰ってもいいよ。

 

私がそう言うと、テイアは私を振り向きもせずに部屋から出て行った。

 

 

フロントからの電話が鳴る。

おまえの連れて来た女が帰ると言っているが、帰していいのか ❓

と聞いて来たので、私は『YES』とだけ伝えた。

※バーファインした女の子はホテルの出入口まで一緒に行って送らないと、1人の場合はフロントから連絡があります。

 

 

 

取り敢えず、これで恐怖から逃げる事が出来た。

明日は、朝から思う存分遊ぶことが出来る。

 

それどころか、見つかる心配もしないで今からバーホッピングをする事さえ出来る。

 

『新規を開拓するか』、『もう一度ソフィアを誘うか』、『それとも、もう一度スリーサム』で汚名を挽回するか。

 

そんな下らない事を考えているとアキラさんから連絡が来た。

 

何時ものテーブル席でアキラさんと合流する。アンジェリカも一緒だった。

どうでしたか ❓ !(^^)!

  

私は『寝坊をした事』『携帯電話を持って行ってしまった事』『テイアがなかなか来なかった事』『ママが協力的だった事』『やらずに帰した事』等を話し、アキラさんを爆笑させる。

 

預けてあったポーチを返して貰い、タバコや眼鏡をポーチに入れなおす。

 

11時頃にアンジェリカが帰るので、その後飲みましょう。!(^^)!

とのアキラさんの誘いに乗り、 

じゃあ、それまでバーホッピングしてますね (^^♪

と約束をして夜のWSへ繰り出すのであった。

 

 

 

 

 

いつも通りの街並み。土曜日なので普段よりも賑やかかもしれない。

 

1人でWSを歩くが、何故かどこのバーにも入りたいとは思えない。

 

『こんな筈では無かった。』

折角、自由になれたのに『ワクワク』しない。

 

WSを1往復して、

『こんな気持ちじゃ、楽しめない。』

と私は観念して、今夜のバーファインを諦めた。

 

11時まで時間を潰す為にビリヤードでもしようとメイの店へ行ったがメイは休み。

 

『ホテルへ戻ろう。』

私は独り言を呟いて、ホテルへ戻ろうとした。

 

メイの店テイアの店は歩いて2分。

遠くから出入口を覗くだけなら1分でテイアの店の出入口を覗くことが出来る。

 

私は踵を返して、テイアの店の方向へと向かう。

 

 

『もう、いないかもしれない。』

そう思いながら、遠くからテイアの店の出入口を覗いた。

 

 

店の出入口では、私服姿のままのテイアがスタッフ達と楽しそうに笑っていた。

 

  

 

 

続く

 

 

 

  

 

 

 

 

 

追記

 

テイアが笑っているのを見て何故だかは分からないが、私は少し安心した気持ちになった。

 

『もう一度テイアを呼びに行く』気持ちは無い。何度も行くのは格好悪い。

 

私は再度、踵を返し、ホテルへ戻る。

 

 

 

 

 

後ろから私の名前を大声で呼ぶ声が聞こえた。

 

『誰にも見つかってない筈なのに  (-。ー;) 。』

 

私はゆっくりと振り返り、怒った顔のままで此方に歩いて来るテイアを見続けるのだった。

 

 

 

 

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