番外編 アキラ プロローグ

体験記
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4年前に初めてフィリピンに来てから何回目のアンヘレスだろう。

 

アンヘレスのバーは殆ど行きつくした。入ったことの無いバーは減っていったが、逆に入る事の出来ないバーが増えてきた。

過去の訪問で散財した結果、顔を覚えられてさんざん集られるからだ。

 

別に集られるのは嫌いでは無いが、毎回だと単価の安いアンヘレスでも結構な額になる。

 

新鮮さは薄れてきたが楽しい事には変わりないので、つい足が向いてしまう。

 

 

 

 

 

 

WSを歩くと顔見知りのママやダンサーに見つかってしまうので、今日はプリメタ方面で遊ぼうと考え歩いていると、前からピーナと東洋人が腕を組みながら歩いてきた。

アンヘレスでは別段珍しくない光景だが、今回違っていたのはそのピーナが顔見知りだった事だ。

プリメタ方面から歩いてくると言うのも腑に落ちない。

 

 

 

 

前回の訪問時にWSの少し外側のバーで5~6人のダンサーやウエイトレスを囲んでドリンクを出しまくって豪遊していた事があった。翌日にそのバーの前を歩いていると、その輪には加わっていなかった1人のドアガールが俺に話しかけてきた。肩を落としてだらしなく、背もたれの無い椅子に座っていた娘は間違いなく美人であった。

お金はいらないから遊びに行こう。

おそらく、俺の散財っぷりを見ていてカモ認定されたのだろう。

カモられるのは分かっていた。それでもこれだけの美人である。お店に隠れて連絡先を交換し、翌日に遊びに行った。案の定SMクラークで洋服を買ったり食事を奢ったりして、お店に払う以上の金額を使うことになったのだが、それでも満足することが出来た。

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人懐っこい嬢で、一緒にいる時間は楽しかった。

 

 

 

 

 

 

そのピーナが東洋人と歩いてきている。すれ違いざまに、

『 アキラ 』

と俺の名前を呼びながら笑っている。

 

男と腕を組みながら、前回の客に話しかける厚かましさに少し動揺しながら軽く手を挙げ、隣の東洋人は日本人かな?などと考えながらプリメタ方面へ向かった。

 

 

 

 

今日は楽しいことがあれば良いな。などど考えながら。

もし、いい子が見つからなかったら今すれ違ったピーナの店にでも行こうかな。

 

名前は何と言ったかな。少し考えて思い出した。

 

 

 

 

そーだ。『テイア』だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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