アキラは猫を飼っている。
猫と言っても『にゃおん』とは鳴かないし、
飼っていると言っても『毎日、餌をあげている』訳では無い。
でも、アキラは猫を飼っている。
その猫は、ミンダナオからやってきて、ペットショップのママに拾われた。
ママからは可愛がられ、毎日楽しく暮らしていた。
お店には外国からのお客さんが多かった。
外国からのお客さんは猫が隣の席に座り、甘えていると喜んでくれた。
お客さんは、猫を撫でて、気に入るとお店の外にも連れ出したくれた。
見たことも無い美味しいご飯を食べさせてくれたりもした。
たまに、嫌な事もされたけど、猫は毎日楽しく暮らしていた。
ある日、『ニホンジン』という外国人がきて、猫に飲み物をくれて可愛がり始めた。
その『ニホンジン』には『アキラ』という名前だった。
『アキラ』は猫を連れ出して携帯電話というものを与えてくれた。
『お寿司』というものをくれて『食べてみろ』と言った。
知らない2本の棒を差し出して、『挟んで食べろ』と笑って言っている。
猫は『2本の棒』も『お寿司』も好きには成れなかった。
だけど、『アキラ』は好きだった。
猫はお腹がすくと携帯電話で『アキラ』に連絡をすれば、ご飯が貰えることをおぼえた。
『アキラ』は何時でもご飯をくれた。
アキラが来るのを猫は今日も待っている。

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