番外編 アキラの青春時代の忘れ物

体験記2
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あの頃から、もう20年も経っているのか?

 

フィリピンのアンヘレスという街の、とある一軒のゴーゴーバーでアキラは高校時代の事を思い出していた。

 

たいして真面目に勉強をしていたわけでは無いが、そこそこの学校に通い、そこそこの成績で高校時代を過ごしていたアキラは、特別に部活に励んでいた訳でもなく、かといって特段に遊んでいるわけでも無かった。

最悪と言われるほど格好悪くもなく、何人かの異性と交際したりもしていた。

 

所謂、普通の高校生だった。

 

 

 

クラスでは進学校と言うこともあり各グループに特別なヒエラルキーがあったわけでは無いが、それでも幾分かの上下関係はあり、笑い声の大きさや普段の態度に多少の違いはあった。

 

女子グループの中で1番目立っていた4人組の中に、とにかく明るく笑い方の可愛いい女の子がいた。

 

彼女はアキラと席が隣だったこともあり、甘ったれた口調で良くアキラに話しかけたりをしていた。

 

アキラは次第に彼女に対して淡い好意を抱くようになっていった。

 

上位グループの男達の何人かも、彼女を狙っていたが彼女には大学生の彼氏がいたようだった。

 

 

 

結論を言えば、その後にアキラと彼女がどうこうとなったわけでは無い。

 

しかし、もしもその頃のアキラに僅かな勇気と稀な機会があれば青春時代は少し違ったものになっていたかもしれない。

 

誰しもが自分の青春に、1つ2つの忘れ物を残している。

 

 

 

 

卒業したばかりの頃は、彼女の事を何度か考えたことがあったアキラだったが、ここ10年程は思い出すことすらもなかった。

では、何故にアキラがこの時に高校時代の事を思い出していたかというと、昨日、ゴーゴーバーのステージの上の1人のダンサーに彼女の面影を見つけたからだった。

 

昨日は隣の席に呼ぶ直前に、他のカスタマーに指名をされてしまったので話をすることは出来なかったのだが、本当に彼女に似ているのかをもう一度確認をしたいと思っていた。

 

今日こそはと意気込む。

 

アキラは案内された席に着き、ドリンクをオーダーする前からステージの上に居るかもしれない彼女を探す。幸いなことに直ぐに彼女を見付けることが出来た。

迷うことなく、ウエイトレスを呼び寄せて彼女を指名する。

 

 

指名されたダンサーがステージから客席に来るまでの30秒ほどは期待と不安の入り混じる緊張する時間だ。

 

アキラは間近でダンサーを見た時に、彼女に似ていなかったらどうしようかと考えていた。

 

 

 

ようやく客席までたどり着いたダンサーはアキラに握手を求め笑いかける。

アキラの隣に寄りそう様に座ったダンサーは、彼女では無いのだが、あの頃と全く変わらない笑顔だった。

 

 

 

鼻孔が熱くなる。先ほどよりも鮮明に高校時代を思い出す。

あり得ない事だが、まとわりつく空気や鼻につく匂いまで当時のように感じる。

 

 

外に出て、食事でもどう?

アキラはあの頃には無かった勇気でダンサーを誘った。

 

 

そのダンサーはあの頃と同じ笑顔で

UP TO YOU ( ^^) _U~~  (あなたに任せます。)

と、あの頃と同じ甘ったれた口調でそう言った。

 

 

 

 

  

 

続かない

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

追記

 

 

私はアキラさんの話を聞き終えて

良かったですね(^^♪

と笑いかける。

 

今日もその子を指名するんっですか?

と尋ねると、アキラさんは冷静な顔で答えた。

誘いませんよ(‘ω’)。もう一回したから大丈夫です(‘ω’)。

 

続けて

よく見たらブスでしたし(‘ω’)。

と、言っていた。

 

 

  

 

 

正真正銘のクズだと思った(*´ω`*)。

 

 

 

 

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